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練習が終わる。ジャッカルを軽くあしらって、ドリンクをがぶ飲みして口内を潤したら、 制服に袖を通す、その前に。いつもの習慣でガムを口に放りこんで。あとどんくらいあんだ? あ、もう一個しかねえじゃん。帰りコンビニ寄るかーとか考えていたら、 一足先に着替え終わった赤也が「お先っス」と横を通って行こうとしたけど、俺の手元を見て立ち止まる。 「あ、丸井先輩」 「んあー?」 「へへ、俺もガムいっこほしいっス」 「嫌」 「えー?!」 「あとひとつしかねんだよ」 「はあーケチっすねー」 いっちょまえにぐちぐちと口応えするのでシメてやる。今日の体育は柔道やったからそれのおさらい。俺こっちでも天才的じゃね? ちょっとしてから離してやって、赤也がぜえぜえ言ってる間に先に部室から出て行ってやった。 外はさっきより少し暗くなっていて、腹も減ったので一目散に帰路へ向かう。 テニスコートの横を歩いているとクラスメイトのと出くわした。 「あ、」 「おつかれー丸井」 向こうも部活終わりっぽかった。こいつ何部だっけ。忘れた。どこだっけ、 つーか知らねーとか思って顔を見ていたら、はじゃあね、と手を振った。 「なんだよお前、急いでんの?」 「え?そんなことないけど」 「んじゃ一緒に行けばいいじゃん」 そう言うとはなんとなく縮こまって、そうだね、と小さく言った。まあ俺ん家の方向と同じ人あんまりいねーから どうせ校門までだろうけど。フーセンをぷう、と膨らますと、はうつむいていた顔をあげた。 「なんか丸井、いいにおいするね」 「あー、ガムじゃね?」 「えっこんないいにおいするガム知らない!丸井っていつもどんなガム食べてるの」 「どんなって別に、いろいろ」 「ていうかこのガム、どこの」 「え、どこだっけ」 さっきラスイチだ、と思ったときにその一粒だけポケットに入れて、パッケージは捨ててしまった。 どこのかとか覚えてねーよ。いろいろ買ってるし。言葉に迷って、意味もなくズボンのポケットに手を入れると さっきの一粒が指にあたった。あっこれでいいや。 「やる」 「えっ、え?」 「今食べてんのこれだから」 「いいの?」 「おう」 「わー、ありがとう」 は笑って礼を言って、かさりと包み紙を開ける。ぱくりと一口噛んで、いいにおい、とつぶやいた。 うまそうにもの食うな。まーガムだけど。 それから「明日お礼になんかお菓子もってくんね」とか言うから明日学校来んのがちょっと楽しみになった。 あーなんか今までとあんま喋ったことなかったけど、普通にいいやつじゃね? そのまま俺らは校門まで他愛のない話をして、好きな音楽のジャンルがお互い一緒だったことが判明したあたりで 校門についた。予想通り俺との家は校門を出て反対方向で、そんじゃな、と手を振った。もばいばい、と手を振って別れる。そして数歩進んだところでなんとなく、本当になんとなく振り返ると、も振り返ってくれていて。目が合うとなんか無性に照れくさくなって、間が持たないように感じて。 数メートル距離はあったけど、思いついたことを口走った。 「さー!お前はどこのガム好きなの」 「えっ、あたし?」 「んー」 「そうだなあ、ウォータリングのやつとかよく食べるよー!」 「あれフーセンなんねーじゃん!」 そんなこと言うだけで。きっとと別れたあと、コンビニに寄って、俺が探してしまうのは、 |